青森県老人保健施設協会県南支部の相談員部門分科会で,「特定援助対象者法律相談援助について」という講演を行ってきました。呼んで下さった側からみ見れば講演,法テラスに勤める身から見れば業務説明というわけです。
「特定援助対象者法律相談援助」というのは,平成30年1月24日施行の総合法律支援法改正で増えた,法テラスの新しい出張法律相談制度です。
これまでの法律相談制度は,ご本人が相談を希望しているということが大前提にありました。
今回新しくできた制度は,「……弁護士、弁護士法人又は隣接法律専門識者のサービスの提供を自発的に求めることが期待できないものを援助する」(総合法律支援法30条1項3号)ということで,ご本人がアクションを起こさなくても,支援する立場の方から呼ばれれば出動することができます。
ついに「法律相談しようと思いついてアクションを起こさなければならない」というハードルを超える制度ができたわけです。
資力のある方の場合は法律相談料をご負担頂くルールとなっていますが,出張を求めると通常は発生する旅費日当の負担が求められないルールなので,法律家を呼びやすくなったと思います。
法律家の側としても,これまでは,ご本人のアクションがないと,お困りの方がいることは分からなかったという点が解消するので,法律サービスを届けやすくなったと思います。
老人保健施設の方々もサービスの提供を自発的に求めることが期待できない方に先に気付かれることが多いのではないかと思いますので,ぜひ早めにつないでいただきたいです。そういう気持ちで,講演をしてきました。