放送大学教養学部の科目「錯覚の科学('14)」で縦断勾配錯視(坂道錯視)が取り上げられています。「おばけ坂」「幽霊坂」などとも呼ぶようです。
全国12箇所の実例が挙げられている中に、青森県階上町の「後戻り坂」がありました。
それを放送大学の同級生と見に行ってきた記録とご紹介です。(H31.2)
「坂道錯視 3」というページを拝見して、その情報からGoogle mapを目を皿のようにして探して同じ場所を見つけました。
「後戻り坂」は、階上町役場から南東に少し、潮山神社や寺下観音というところの方に車で5分くらい入ったところにあります。
道路は片側一車線ですがきちんと整備されていて太いです。
この交差点は、北と西が低く、南が高い、坂道の途中になっています。
ところが、北から交差点に向けて南下する途中、マーカーの辺りが、上り坂から一度下り坂になったように見えるのです。
地図の北の緩やかなカーブになっている辺りからスタートして、スマートフォンで撮影しながら歩いて上ってみました。
ただ歩いているだけの動画なので2倍速になっています。
動画の35秒あたりで峠を越えたように見えるのですが、実際は上りのままです。
歩いてみると、下りに見えるのに前に進むのが大変という変な感じがします。
脇道に入って北西から南東に向けて眺めたところです。
写真左から坂を上ってくると、写真真ん中辺りが峠で、そこから下りになるように見えます。
でも、本当は、峠から先も上りのままなのです。
(写真に写っている黒いコートの人物は、一緒に見に行った同級生の方です。)
對梨成一・ 北岡明佳「縦断勾配錯視の研究」(2012)という論文があります(J-STAGEでどなたでもタダで読めます。上の方にリンクを置いた「坂道錯視 3」のページはこの先生方の作られたページです)。
この論文によると,階上町の後戻り坂の勾配は約2°なのだそうです(401頁)。